えんがわ家で暮らすということ

私はここで運営兼住人という立場で半年ほど暮らしている。

当初は住み手としての視点を持ちながら運営に関わりたいという使命感が強かったかもしれない。

だが、外出自粛に伴い、屋内で過ごす時間が増えたことで、ここで暮らすことの魅力を実感するようになった。

おそらく1人で暮らしていたら、STAY HOMEは非常に寂しく辛いものであっただろう。

ここでそのような気持ちになることはない。

ここには、いつも誰かが遊びに来る。

それはご近所さんだったり、親子ひろばのママさんだったり、以前から応援してくれている方だったり。

プライベートがないのではと心配されることも少なくないが、そんな日常でも1人きりの時間はかなりあるし、

周りに人がいながら何か作業するというのも案外悪くない(忙しいときはみな察してくれる(笑))。

むしろ、入れ替わり立ち替わり、様々な人とお話しできることで、悶々とした気持ちがすっきりしたり、心が癒されることの方が多い。

「自分だけの時間」「自分だけの空間」という考えを少し外に開くだけで、こんなにも豊かな暮らしが得られる。

物理的な制約も多いし、ここでの暮らしのハードルは決して低くない。

だが、そういう機会を持つことができる1階のシェアスペースの可能性は非常に大きい。

徐々にシェアメイトの暮らしを気遣ってくださる方も増えた。

えんがわ家が長く続くためには、そのように配慮してくださる仲間が必要不可欠だ。

私たちにとって「自分だけの〇〇」はとても大切な時間だが、それを外に開くことでつながりができ、新しい関係性が生まれる。

多くの人は息苦しい、あるいは生きにくいと感じるこの暮らしの中で、つながりの豊かさや地域で何かできることのありがたさを享受できる人がここに住み続ける人になっていくのかもしれない。

自分で輪を広げようと思えば、力を貸してくださる方ばかりだ。

移動が難しい昨今ではあるが、1階のシェアスペースを使い、地域を舞台に何かチャレンジしてみたいというシェアメイトを心待ちにしている。

この記事を書いた人

えんがわ家スタッフ